「ポイント投資を始めようと思っているけど、リスクやデメリットはないの?」
「ポイント自体にリスクがなくても、利用するにあたって別途費用の負担があるのでは?」
そういった疑問を持っている方に向けて、記事を書いていきます。
金融庁の報告書で「老後資金が2,000万円不足している」と発表されたことをきっかけに、将来に向けての資産形成への関心が高まっています。
中でも最近注目なのは、低リスクで投資を始められる「ポイント投資」。
これまで買い物やサービスの利用時に貯めていたポイントを、株や投資信託に回すことで資産運用ができるサービスです。
ただ、いくらポイントを利用するからといって、デメリットやリスクがあるのではないかと不安に感じる人もいるでしょう。
今回の記事では、複数のポイント投資運用中の筆者が、ポイント投資のリスクやデメリットについてわかりやすく解説をしていきます。
これからポイント投資を始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
ポイント投資とは
「ポイント投資」とは、「Tポイント」や「dポイント」など各種ポイントを使った投資サービスのことです。
買い物の際にお店に提示する会員カード・クレジットカードなどで貯められるポイントを利用し、株や投資信託を購入できます。
実際のお金を使って投資を始めるのは勇気が要りますが、ポイントはおまけのようなものなので、投資に対するハードルは下がりますよね。
ポイントは、支払いに利用したり、サービスやギフトに交換できますが、放置しておいても増えることはありません。
またポイントには有効期限があることもあり、利用せずに放置していた結果、失効してしまった経験がある人も多いはずです。
その点ポイント投資を行えば、現金不要で投資を始めることができ、そのポイントを増やしていくこともできます。
ポイント投資の運用について
どのポイント投資サービスを使うのかによって、投資の内容は変わってきます。
多くの場合、「投資信託」や「ETF(上場投資信託)」に投資できるケースが多いのですが、会社の株に投資できるサービスも有ります。
株の場合は、1社の株の値動きにともなって価格が増減するので、価格が上がった時のリターンも大きい代わりに、値下がりした場合のリスクも高くなります。
しかし投資信託やETFは、複数の株式や債券など、さまざまな種類の金融商品に分散して投資します。
つまり、リスクを抑えながら、安定的に運用することができるのです。
ポイントを使ってどういった運用を目指したいのかによって、サービスや投資内容を考えるといいですね。
ポイント投資の4つのデメリットとリスク
ポイント投資の概要が把握できたところで、続いてデメリットについても見ていきましょう。
主なデメリットとしてあげられるのは、下記の4点です。
- 現金が増えるわけではない
- 元本保証がない
- 手数料がかかる
- 投資額が小さいため大きくは儲からない
一つずつ説明していきましょう。
デメリットとリスク1.現金が増えるわけではない
ポイント投資のサービスの中には、
- 証券口座を開設してからポイント投資を始められるサービス
- 証券口座を開設せずにポイント投資を始められるサービス
の2つの種類があります。
証券口座を開設するタイプであれば、購入した投資信託や株からの配当や売却益を現金で手に入れることができます。
しかし、証券口座を開かないサービスの場合、増えるのはあくまでもポイントであって現金ではありません。
当然、ポイントは使用できる用途が限られているため、その点は通常の投資と異なります。
ポイントではなく現金を増やしたいと考えている人は、証券口座を開設した上でポイント投資を始められるサービスを利用しましょう。
デメリットとリスク2.元本保証がない
ポイント投資は、貯金のようにポイントを貯めていくサービスではなく、あくまで投資ができるサービスです。
株も投資信託もETFも当然値動きがありますから、投資したポイント以上に増えることもあれば、元本を割って減ることもあります。
貯金のように、かならず積み上がっていく性質のものではないので、その点は気をつけてください。
デメリットとリスク3.手数料がかかる
ポイント投資のサービスによっては、投資を続けていく上で手数料がかかる場合があります。
ポイント投資は投資額が少額であるため、せっかく出たリターンがすべて手数料の支払いに消えてしまうこともあるのです。
また、手数料には種類が数多くあり、ポイント投資の公式サイト内でも、ページの下部に小さい文字で書かれていることが多いです。
具体的にかかる手数料の種類としては、
- 買付手数料
- 信託報酬
- 信託財産留保額
- 換金手数料
- サービス利用料
- スプレッド(交換レート)
- 金利
などがあげられ、「株」、「投資信託」、「ETF(上場投資信託)」など、投資先の違いによっても手数料の内訳は変わってきます。
ポイント投資サービスを選ぶ際は、公式サイトをしっかりと読み込んだ上で、どのサービスを選ぶか判断するようにしましょう。
関連記事⇨おすすめのポイント投資6選を比較!〜サービスの選び方やメリット・デメリットについても解説
デメリットとリスク4.投資額が小さいため大きくは儲からない
ポイント投資に関わらず、自分がとったリスクとリターンは比例します。
ポイント投資は、どうしても投資する原資が少なくなるため、大きなリターンを得ることは難しいです。
あくまでも、「本格的な投資を始める前の練習」の位置付けで考えてみるといいかもしれませんね。
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ポイント投資の3つのメリット
ポイント投資のデメリットやリスクを把握した上で、続いて「メリット」についても説明をしておきます。
ポイント投資の主なメリットは以下の3点です。
- 元手の資金が不要
- 証券口座の開設が不要
- 自動運用サービスがある
それぞれ解説していきます。
メリット1.元手の資金が不要
ポイント投資は、商品やサービスを購入したり利用したりする際に、自動的に貯まったポイントで投資をします。
つまり、現金による元手の資金が不要なのです。
「投資には関心があるけれど、リスクを取るのは怖い。」
と感じる人にとっては、ノーリスクで投資を実践して学ぶことができます。
最小で100円単位から投資を始めることができるのも、ポイント投資の特徴です。
メリット2.証券口座の開設が不要
投資を開始するには、通常、証券会社で口座を開設しなければなりません。
しかしポイント投資は、サービスによって証券口座開設の必要がないものもあります。
証券口座を開設する場合は、マイナンバーなどの本人確認書類の提出を求められるのが一般的です。
申し込みをしてすぐに投資を始められる点も、ポイント投資のメリットだと言えるでしょう。
メリット3.自動運用サービスがある
ポイント投資の運用には、大きく2つの種類の方法があります。
1つは、貯めたポイントを自動で運用する自動で運用してもらうパターン。
2つ目は、自分で株や投資信託を選び売買するパターンです。
常に値動きをチェックしたり、自身で売り買いをするのは手間がかかりますから、自動運用サービスの選択肢があると助かりますよね。
主要ポイント投資サービス5選
ここからは、実際にどのようなポイント投資サービスがあるのか、見ていきましょう。
ポイント投資の中でも知名度があるのが、以下の5つです。
- SBIネオモバイル証券「Tポイント」
- 楽天証券「楽天ポイント」
- NTTドコモ「dポイント」
- 「Ponta(ポンタ)ポイント」
- クレディセゾン「永久不滅ポイント」
それぞれ、順番に説明していきます。
ポイント投資サービス1.SBIネオモバイル証券「Tポイント」
SBI証券とCCCマーケティングの合弁会社、SBIネオモバイル証券が始めたポイント投資サービスです。
Tポイントを使って株を購入できる日本初のサービスとして、注目を集めています。
Tポイント投資を始めるためには、「SBIネオモバイル証券」の口座開設が必要になるので注意しましょう。
また、一般的には株の取引ごとに手数料がかかるのですが、「Tポイント投資」の場合は月額200円(税込220円)で取引し放題です。
220円でも高いと感じる人がいるかもしれませんが、実はSBIネオモバイル証券だけでつかえ期間固定ポイントが毎月200ポイント付与される仕組みなので、実質20円の負担で利用できるようになっています。
ポイント投資サービス2.楽天証券「楽天ポイント」
楽天のポイント投資は、楽天グループの幅広いサービスを利用する際にポイントが貯まるため、多くの人から人気を集めています。
投資できる対象は「投資信託」のみで、「初心者向け」の投資信託や、「中級者向け」の投資信託などを事前にピックアップしてくれている点が嬉しいですね。
投資コースは、1回ごとに金額を決める「通常コース」か毎月自動で注文する「積立注文」があります。
ポイント投資サービス3.NTTドコモ「dポイント」
NTTドコモと資産運用サービス会社「お金のデザイン社」が開始したdポイントによるポイント投資サービスです。
dポイントの会員であれば即日サービスを開始でき、運用ポイント数とコースを選ぶだけと、とても簡単なのが特徴です。
運用コースは、投資信託を「おまかせ」と「テーマ」の2つのコースから選ぶことができます。
「おまかせ」を選んだ場合は、よりリターンを大きく狙っていく「アクディブコース」と、安定的な運用を目指す「バランスコース」の2つから選ぶことができます。
「テーマ」を選んだ場合は場合は、「生活必需品」や「ヘルスケア」など、身近なジャンルに絞り込んで投資することが可能です。
ポイント投資サービス4.ストックポイント「Ponta(ポンタ)」
2019年4月にストックポイントが開始した、共通ポイントサービスPontaを使ったポイント投資サービスです。
ポンタポイントは、自分で会社の株を選んで投資することができるので、より投資を身近に感じることができるでしょう。
具体的に選べる会社の例は、ローソンやゲオホールディングス、日本航空などの有名企業の株式ですから、自分が興味を持っている会社の株に投資してみるのも一つですね。
個別の株式以外にも、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)など、複数の投資先から選ぶことができます。
ポンタポイントの運用を始めるためには、リクルートIDへの登録が必要になるので、注意しましょう。
ポイント投資サービス5.クレディセゾン「永久不滅ポイント」
クレジットカードのクレディセゾンも、ポイント投資サービスを提供しています。
同社のセゾンカードやUCカードを利用して貯まった永久不滅ポイントで、長期投資を疑似体験することができます。
利用者は「投資信託コース」か「株式コース」を選択することができ、安定的な運用を目指すなら「投資信託」、少しでも多くのリターンを得たいのであれば、「株式コース」を選ぶといいでしょう。
100ポイント貯まるごとに、運用口座にチャージすることができます。
ポイント投資をおすすめしたい人の3つの特徴
これまでの情報を踏まえて、ポイント投資をおすすめしたい人の特徴を説明しておきます。
おすすめしたい人の特徴は下記の3つ。
- 投資の入門として考える人
- 中長期的に投資できる人
- ポイントが貯まっている人・貯まりやすい人
それぞれ説明していきます。
おすすめしたい人の特徴1.投資の入門として考える人
ポイント投資は、投資はしてみたかったけれどリスクが心配で躊躇していた方に、特におすすめです。
ポイントが減る可能性はあっても、手元の現金が減るわけではないため、気軽に一歩を踏み出せるでしょう。
利用者の中には、「100円から積立投資しているけど、する前とした後では本気で考える度が違うよ!100円で本気になれるんだから、安いもんだよ!」との声も。
投資がどのようなものかイメージできるようになるため、練習と考えれば、非常にお得かもしれません。
おすすめしたい人の特徴2.中長期的に投資できる人
短期で大きく稼げるものではないので、入門や練習のほか、気長に結果を待てる人の方が良いでしょう。
口座開設で数千ポイントをもらえたり、キャンペーンでちょっとしたお小遣い稼ぎをするのも良いかもしれませんね。
おすすめしたい人の特徴3.ポイントが貯まっている人・貯まりやすい人
そもそも、クレジットカードで買い物しない人や、会員カードを持っていない人はポイント自体貯まりません。
光熱費などの固定費をクレジットカード払いにしていたり、利用するお店が決まっていたりなど、毎月一定数のポイントが貯まる人におすすめです。
元手の少ないとはいえ、ポイントが少しでも多い方が儲けは大きくなります。
ポイント投資をおすすめできない人
最後に、ポイント投資をあまりおすすめできない人の特徴についても説明をしておきます。
おすすめできない人の特徴1.短期間で稼ぎたい人
これまでも述べたように、ポイント投資は短期で稼げるものではありません。
「デイトレードでお金持ちになりたい!」と考えるような人には、向いていませんね。
短期で儲けを出すには、仮想通貨(ビットコイン)やFXなどのポイント投資以外の投資にチャレンジする方が良いでしょう。
おすすめできない人の特徴2.ポイントがない人
向いている人とは反対に、もともとポイントが貯まっていない人は、始められません。
現金の元手が必要なく気軽に投資体験できるのが、ポイント投資の魅力。
ですので、クレジットカード払いをしない現金主義の方や、ポイントカードを持たない主義の方が、投資のためにポイントを貯めるのは本末転倒ですね。
わざわざポイントを貯めてまでポイント投資をするのはおすすめできません。
まとめ
金融庁が「老後に2,000万円が必要」と発表したことを皮切りに、投資の重要性に気づき始めた人も多いです。
いきなり多額の現金を投資することはできなくても、リスクが小さいポイント投資から始めることで、本格的な投資を行う前の練習ができるのは大きなメリットでしょう。
ポイント投資を始めることで金融に関する知識も深まり、結果として資産形成の助けになることも副次的な効果です。
興味のある人は、ぜひ自分が日常的に貯めているポイントを活用して、ポイント投資を始めてみてはいかがでしょうか?