「公的年金以外に老後に2,000万円の金融資産を取り崩す必要がある」
これは2019年6月に金融庁の審議会が発表した内容で、「老後2,000万問題」として、ご存知の方も多いと思います。
そうした中、預金だけではお金を増やせないため、投資にチャレンジしようと思われている方もいらっしゃるでしょう。
しかし投資は多額のお金が必要で、いきなり大金を投資することに抵抗を感じられるかもしれません。
そこで今回は、少額から始められる投資サービスについてお伝えしていきます。
ぜひ参考にしてください。
Contents
少額株式投資を始める人が証券口座を選ぶ際の3つのポイント
投資と聞いてまず思い浮かべるのは、株式投資ではないでしょうか?
株式投資を始めるためには証券口座を開設する必要があり、メリット・デメリットを把握し、口座を選ぶ必要があります。
証券口座を選ぶ際に必ず抑えておきたいポイントは以下の3つです。
- 売買手数料
- 取り扱い銘柄数
- 積立投資の有無
日本で株式を購入する場合、売買単位(単元)は100株であるため、1株3,000円の株を購入する場合、100株×3,000円で30万円の投資資金が必要です。
ところが最近では、100株からではなく1株から株式を購入できるサービスがいくつも誕生しています。
またそのような1株から株式を購入できるサービスでも、保有株数に応じて株主優待や配当金を受け取ることも可能です。
ただし株主優待を得るためには、基本的に100株(単元)以上にならなければならないため注意が必要です。
また株主総会での議決権の行使や、リアルタイムでの取引ができないことが、単元未満で取引を行うデメリットといえるでしょう。
初心者におすすめの少額で株式投資ができる証券口座まとめ!
ここでは株式投資初心者の方でも、手軽に始めやすい証券口座を紹介していきます。
始めやすい主な証券口座は、
- SBIネオモバイル証券
- マネックス証券
- SBI証券
- LINE証券
- プチ株(auカブコム証券)
それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解して、どこの証券口座を利用するか、しっかり吟味していきましょう。
1.SBIネオモバイル証券(ネオモバ )
売買手数料 |
取り扱い銘柄数 |
積立投資の有無 |
(※1) |
東証、名証、福証、札証 ETF、REIT |
有 |
(※1)
月間の国内株式約定代金合計額 |
サービス利用料(月額) |
0~50万円 |
220円(税込) |
300万円 |
1,100円(税込) |
500万円 |
3,300円(税込) |
1,000万円 |
5,500円(税込) |
※以下1,000万円ごとに1,100円(税込)が加算される(上限なし)
SBIネオモバイル証券の最大の特徴は、Tポイントを使って株を購入することです。
こちらも1株単位で株が購入でき、Tポイント1ポイント=1円として、取引可能です。
また上記の表の通り、売買手数料が約定代金に応じて定額であることも特徴として挙げられます。
他にも100円から設定できる株の「定期買付」で、毎月指定した日に買付ができるように自動で注文発注するサービスが用意されています。
ネオモバで利用できるTポイントも固定で付与されるので、実質の負担金額も減りお得です。
買い付けたい銘柄、指定日、金額など簡単な設定を行い積立で株式を購入することができるため、時間分散の効果を得ることもできるのです。
会社情報
運営会社 |
株式会社SBIネオモバイル証券 |
設立 |
2018年10月30日 |
強み |
Tポイントを活用して投資が可能 |
公式サイトURL | https://www.tcs-asp.net/alink?AC=C101764&LC=SBIN1&SQ=1&isq=100 |
2.マネックス証券
売買手数料 |
取り扱い銘柄数 |
積立投資の有無 |
約定代金の0.5% (最低手数料48円・税込52円) |
東証、名証の約3,200銘柄 |
有 |
マネックス証券はワン株(単元未満株)というサービスを提供しており、通常100株単位となるところを1株から取引可能となっています。
ワン株の最大の特徴は、業界最安水準の売買手数料です。
9,600円までの取引で48円(税込52円)、それ以上の取引では約定代金の0.5%となっており、他社に引けを取りません。
東証、名証の約3,200銘柄を取引できることから、有名企業や優待人気銘柄の株を購入することもできます。
会社情報
運営会社 |
マネックス証券株式会社 |
設立 |
1999年5月20日 |
強み |
米国株の取り扱い数が業界最大水準の約3,000銘柄 |
公式サイトURL | https://www.monex.co.jp/ |
3.SBI証券
売買手数料 |
取り扱い銘柄数 |
積立投資の有無 |
約定代金×0.5% (最低手数料:55円) |
東証、名証、福証、札証 ETF (名証、福証、札証は売却のみ) |
無 (米国株式・ETFの定期買付は有) |
SBI証券は少額で株式を売買できるサービスとして、単元未満株(S株)というサービスを用意しています。
SBI証券のS株の特徴は、他社が原則1日1回の発注しかできないところを、当日前場始値と当日後場始値、当日後場終値と翌営業日前場始値とチャンスがあることです。
ただ、地方市場の場合は約定タイミングが1日2度となっていて、当日後場終値では基本的に約定しません。(当日10:30までに注文を発注していた銘柄が、後場終値においてストップ配分以外で始値が成立した場合は約定)
このような特徴があるものの、前述のSBIネオモバイル証券のサービスが始まったことで、お得感が薄くなりました。
会社情報
運営会社 |
株式会社SBI証券 |
設立 |
1944年3月30日 |
強み |
ネット証券の口座開設数No.1 |
公式サイトURL | https://www.sbisec.co.jp/ |
4.LINE証券
売買手数料 |
取り扱い銘柄数 |
積立投資の有無 |
9:00~14:50 0.2%~0.5% 11:30~12:30 1.0% 12:30~14:50 0.2~0.5% 17:00~21:00 1.0% |
国内株:1500銘柄以上 ETF:15銘柄 投資信託:28銘柄 |
無 |
LINE証券はアプリのLINE上で取引ができるスマホ投資サービスです。
約定に掛かる手数料が安いのが特徴でしたが、以前に比べて手数料が値上げしています。
以前は日中9:00~14:50(11:20~11:30、12:20~12:30を除く)の時間帯であれば、約定代金の0.05%の業界最低水準(※2)の売買手数料で取引できましたが、現状は0.2%~0.5%です。
0.2%~0.5%と幅があるのはどの銘柄を買うかによって、手数料は変わるからで、銘柄別にグループ分けされています。
グループAが0.2%、グループBが0.3%、グループCが0.4%、グループDが0.5%です。
(※2)精算金額に1円未満の端数がある場合、買付の時は切り上げ処理(売却の時は切り捨て処理)を実施。
例:基準価格が100円の銘柄を午前中に買付する場合、提示価格は100.2~100.5円となり、1株のみ買付した場合、精算金額は101円となります。
またLINEポイントやLINE Payで証券口座へ入金でき、LINEのアプリをインストールしていればいつでも取引できます。
注文方法はとてもシンプルで、購入したい銘柄を選んで数量を決めるだけで完了します。
さらに2019年11月27日からは、投資信託の取り扱いをスタートし、全ての取扱銘柄の購入手数料が0円、100円から1円単位で取引可能です。
なお、オンライン証券folioとLINEが業務提携して運営している、LINEスマート投資とはサービスが異なります。
会社情報
運営会社 |
LINE証券株式会社 |
設立 |
2018年6月1日 |
強み |
LINEアプリがあれば入出金、取引を簡単に行える |
公式サイトURL | https://line-sec.co.jp/ |
5.プチ株(auカブコム証券)
売買手数料 |
取り扱い銘柄数 |
積立投資の有無 |
(※3) プレミアム積立は無料 |
東証、名証、福証、札証 (福証、札証は売却のみ) ETF |
有 |
約定代金 |
手数料 |
9,000円 |
52円(税込) |
20,000円 |
110円(税込) |
20,001円 |
110円(税込) |
29,999円 |
163円(税込) |
30,000円 |
163円(税込) |
※約定代金9,000円までは最低手数料を適用、それ以上は料率0.5%を適用
auと三菱UFJフィナンシャルグループが運営する、auカブコム証券はの最大の特徴は、プレミアム積立を行えば手数料が0円で取引できる点です。
プレミアム積立は、毎月500円以上1円単位の少額から「プチ株(単元未満株取引)」を積立てできるサービスです。
またその際に銀行預金口座から自動引落(口座振替)で利用できます。
なおプレミアム積立の積立対象商品は、プチ株(単元未満株取引)や投資信託、外貨建MMFから選ぶことができます。
積立を行うことで、価格が低い時は購入数量を増やし、価格が高い時に購入数量を抑えることで平均取得単価を長期的に下げることができるでしょう。
その際に取引手数料が0円であることは、長期的に資産形成のスピードを早めてくれるといえます。
会社情報
運営会社 |
auカブコム証券株式会社 |
設立 |
1999年11月19日 |
強み |
プレミアム積立を使えば積立買付手数料は0円 |
公式サイトURL | https://kabu.com/ |
おつりやポイントを活用して積立投資ができるおすすめのサービス2選を紹介
積立の魅力は前述させて頂いた通り、平均取得単価を長期的に下げることで資産形成のスピードを早めてくれる他、購入タイミングを分散させることで高値づかみを避けることができます。
さらに最近では、おつりやポイントを活用して積立投資ができるサービスも誕生しています。
1.トラノコ
トラノコはおつりで投資ができるアプリで、5円から自分のリスク許容度に応じて3つのファンドから選ぶだけで簡単に投資ができるサービスです。
自分で銘柄を選ぶ必要もないため、投資初心者の方でも手軽に投資にチャレンジすることができます。
トラノコを始めるためには、口座開設を行う必要があります。
口座開設の際、生年月日や氏名、住所、運転免許証などの本人確認書類、マイナンバー情報の入力が必要です。
口座開設が完了し、トラノコのアプリをインストールし、「トラノコおつり取得設定」を行います。
なおトラノコと提携しているマネーフォワードやZaimなどのアカウントをお持ちの場合は、IDだけで連携させることも可能です。
口座開設や登録が完了し、「おつり」となる金額を設定します。
おつりは、100円、500円、1,000円単位の3段階から選び、設定した金額から購買金額を差し引いた金額が「おつり」となるのです。
投資対象はリスク許容度に応じて、安定重視の「小トラ」、バランス重視の「中トラ」、リターン重視の「大トラ」の3つのファンドから選択します。
難しい銘柄分析なども必要ないため、初心者でも少額から手軽に投資することができます。
2.PayPay証券(旧ワンタップバイ)
paypay証券は1,000円から株が買えるスマホ証券として、手軽に国内外の株式投資にチャレンジできるサービスです。
操作方法もとても簡単で、3タップで米国株と日本株を購入することができます。
また積立投資サービスである、「つみたてロボ貯蓄」というサービスも用意されており、積立ながら分配金や配当金を受け取ることもできます。
paypay証券の利用者の約7割が投資未経験者であることから、初めて株式投資をされる方でも簡単に取引することが可能です。
paypay証券を始めるためにも口座開設が必要です。
またその際に、マインバーと身分証明書が必要になります。
日本株と米国株の個別銘柄はもちろん、投資先に迷ったら「まるごと米国株」や「まるごと日本株」というサービスを利用し、市場にまるごと投資することもできます。
まとめ
投資人気の流れもあり、初心者の方でも簡単に投資できるサービスが増えてきました。
初心者の方で投資に躊躇する理由の一つとして、いきなり大金を投じることへの恐怖ではないでしょうか?
そのようなニーズに応えるために、上記に挙げたような少額から投資ができるサービスが多く提供されています。
知識をしっかり付けてから投資を始めることも大切ですが、まずは投資にチャレンジしてみるからこそ学ぶこともあるはずです。
そのためにはこのような少額投資サービスを利用してみるのもいいでしょう。